2023年07月25日
おはようございます。

今回は不整形地(袋地)の相続財産評価実例を紹介させていただきます。

不整形地(袋地)の相続財産評価実例     愛知県不動産鑑定センター



物件は市街化区域内の不整形地(袋地)であり、土地の面積は約1,500㎡です。

ご依頼いただきました税理士事務所の先生が財産評価基本通達に基づき評価したところ約26,500,000円とのことでしたが、不動産鑑定評価を活用することで評価減が実現できないかとのお問い合わせを受けて、予想される概算価格をお伝えした結果正式にご依頼いただきました。

今回の評価で重視した点はいくつかあります。

①本件土地で建物を建築することが可能か

②建物が建築可能であるとした場合、どの程度の規模の建物が建てられるか、建物の種類は限定されるのか

③造成費はどうなのか

調査を進める中で本件土地は公図上は間口が広く路地状部分の幅と長さについても問題はありませんでした。

しかし現地調査を行い、各種資料を収集して関係機関に問い合わせをしたところ愛知県建築基準条例の基準に適合せず、建物の建築が相当困難であることが判明しました。

また隣地を買い増しても実際には建物が1棟建てられるのみで有効に使える土地の面積も相当小さく、有効利用の度合いが低い状態でした。

それに加えて敷地内の高低差が大きく、相当な造成費が必要との結論になりました。

これらを踏まえて不動産鑑定評価を行いましたが、結果は下記のとおりです。

〇財産評価基本通達による評価額:約26,500,000円

〇不動産鑑定評価額:約22,300,000円

〇評価減:約4,200,000円(約16%の評価減)


とても難しく悩ましい案件でしたが無事適正な時価を求めることができ、税理士の先生や相続人の方にも喜んでいただける結果となりました。

不整形地や無道路地、市街化調整区域内の土地等は財産評価基本通達に基づく評価額と時価が大きく乖離することがあります。

不動産鑑定評価を活用することで相続税の納税額を減らすことができる可能性があります。

また相続財産の評価や同族間売買における評価は、担当する不動産鑑定士の経験に大きく左右されます。

不動産は貴重な資産であり、同じものは二つとありません。

相続や贈与、同族間売買等において不動産の時価でお悩みの際は是非経験豊富な弊社不動産鑑定士にご相談下さい。

弊社は創業以来数多くの税務評価を担当しており、過去の評価の経験による蓄積もございます。

また弊社は弁護士や税理士、司法書士、行政書士等各士業の先生方と提携し、ご依頼者の方々に一段上のワンストップサービスを実現できるよう心掛けております。

不動産に関するお困りごとがございましたら、いつでもご相談下さい。


税務対策で不動産鑑定評価を積極的に採用した方が良い不動産は次のような物件です。

お気軽にご相談ください。

 ①間口の狭い土地

 ②奥行の長い土地

 ③形状の悪い土地

 ④地積規模の大きな土地

 ⑤道路と高低差のある土地

 ⑥傾斜地

 ⑦接道要件に問題のある土地

 ⑧市街地山林、市街地原野、市街地農地

 ⑨私道付宅地

 ⑩市街化調整区域内の土地(宅地、農地、雑種地、山林等)

 ⑪埋蔵文化財、地下埋設物、土壌汚染のある土地

 ⑫アパート、店舗等の収益物件

 ⑬借地権や底地

 ⑭地代や家賃の評価

 ⑮大規模工場等取引相場の分からない不動産

 ⑯純山林の判定業務



不整形地(袋地)の相続財産評価実例     愛知県不動産鑑定センター





㈱愛知県不動産鑑定センター