地積規模の大きな宅地の評価の条件

平成30年1月1日よりこれまでの広大地評価に代わり、地積規模の大きな宅地の評価が新設されました。
(平成35年10月31日までの更正の請求までは広大地評価は可能です)
地積規模の大きな宅地の定義は以下のとおりです。

三大都市圏:500㎡以上の地積の宅地
三大都市圏以外:1,000㎡以上の地積の宅地

まず、第一段階として上記面積以上であることが必要です。
次に路線価地域であれば、普通商業地区・併用住宅地区、普通住宅地区に所在すること、倍率地域であれば大規模工場用地でないことが前提となります。
これらの要件を満たした上で一定の条件に該当すれば、地積規模の大きな宅地として評価することができます。
地積規模の大きな宅地の判定におけるフローチャートを示すと下記のとおりです。


地積規模の大きな宅地の評価



地積規模の大きな宅地の評価における規模格差補正率

地積規模の大きな宅地の評価における規模格差補正率の計算方法は下記のとおりです。
規模格差補正率=((A×B+C)÷A)×0.80

(地積規模の大きな宅地の評価・三大都市圏)
地積規模の大きな宅地の評価

(地積規模の大きな宅地の評価・三大都市圏以外の地域)
地積規模の大きな宅地の評価


従来の広大地評価と地積規模の大きな宅地の評価における規模格差補正率比較

従来の広大地評価と地積規模の大きな宅地の評価における規模格差補正率を比較すると下記の結果となります。

(普通住宅地区・三大都市圏の宅地)
地積規模の大きな宅地の評価

この表を見て分かるように、従来の広大地評価に比べて地積規模の大きな宅地の評価では、評価額は大幅に上昇します。
しかし、この評価方法を適切に適用することで地積規模の大きな宅地の評価を大幅に引き下げることにより、納税額を減らすことができる可能性も高いのです。
そのため適用要件の判断が極めて重要になります。



地積規模の大きな宅地の評価におけるお悩みを解決します

地積規模の大きな宅地の評価が新設されたことで、従来の広大地評価の様に判定で悩むことが少なくなったとお考えの税理士の先生方も多いかと思われます。
しかし、面積基準を始め悩ましい要件も多く、判断を誤れば折角適用できる宅地でも見逃してしまうことや、逆に誤って適用してしまい否認される恐れも否定できません。
結果として納税者の信頼を失うことや更正の請求業者に狙われる恐れもあります。
税理士の先生方の中には今まで不動産鑑定士に相談したことはなく、ご自分で土地の評価をされてきた方も多数お見えになると思います。
また机上調査で対応されてきた先生もお見えになるでしょう。
しかし不動産は多数の法律や条例等の規制を受け、土地の面積や形状も異なる等、同じものは2つとしてありません。
不動産の評価においては様々な調査が必要ですが、日常の業務で多忙な税理士の先生方が全て行うのは大変ではないでしょうか。
税理士の先生方の時間を有効に活用するためにも、不動産の評価や調査においては不動産の評価の専門家である不動産鑑定士を是非ご活用下さい。
専門家としての立場から、税務上の地積規模の大きな宅地の評価の適用対象になるか、不動産鑑定評価を活用した場合との評価額の開差についてもご相談に応じさせていただきます。(地積規模の大きな宅地の評価の適用対象になるかの簡易判定にも応じさせていただきます。)
しかし、不動産鑑定士であれば誰でも良いかといえばそうではありません。
評価単位を始め、一般の不動産鑑定評価と税務評価では大きく異なる点が多々あります。
税務評価に精通した不動産鑑定士でなければ、せっかく依頼しても税務署に否認され、納税者の方にも大きな負担となってしまいます。
弊社は創業以来多数の案件に携わり、広大地評価を始め多数の税務評価を経験しております。
また税理士の先生方を対象とした研修会の講師も担当させていただいておりますので、必ず先生方のお力になれると考えております。
税務評価にお悩みの際は、是非ご相談下さい。

<地積規模の大きな宅地であっても不動産鑑定評価を適用すべき不動産>

①間口が2m未満の土地や間口の狭い土地
②無道路地や前面道路が建築基準法上の道路ではなく、接道義務を満たさない土地
③奥行の長い土地
④高低差のある土地
⑤傾斜地等で多額の造成費がかかる土地
⑥前面路線価の低い土地
⑦容積率が400%以上でも前面道路の幅員が6m以下の土地
⑧中小工場地区内の土地
⑨宅地分譲が困難な市街化調整区域内の土地


現地調査及び役所調査を含む地積規模の大きな宅地の評価の簡易判定書も発行させていただきますので、お気軽にご連絡下さい。