相続財産評価においては、相続税法第22条に規定する時価で評価することが原則です。

そして相続税法22条に規定する当該資産を取得した時の時価とは、相続開始時における当該資産の客観的な交換価額を指します。

通常税理士の先生方は財産評価基本通達に基づき路線価方式や倍率方式による評価を行いますが、厳密にはこれらの評価方法は時価を求める方法ではありません。

しかし路線価方式による評価額や固定資産税評価額に倍率を掛けた金額は時価ではないですが、国税庁は納税者間の公平、課税事務の迅速化等の観点から通達による評価を認めています。

ただし、財産評価基本通達等によらないことが相当と認められる特別な事情がある場合には、それ以外の方法(不動産鑑定評価等)での評価が可能となっています。

不動産鑑定評価を活用することで相続、贈与、遺産分割における適正な資産価値を把握するとともに、路線価と時価との乖離が見られる不動産については大幅に節税が可能となる場合もあります。

相続財産評価

相続財産として不整形な土地が対象となった場合
A.財産評価基本通達による評価額
財産評価基本通達におけるかげ地割合は30%のため、不整形補正率表により0.93を乗じた7,440万円と評価

B.不動産鑑定評価による評価額
周辺における取引価格から比較検討した比準価格として6,650万円、収益性を考慮して求めた価格として収益価格3,500万円が求められたため、両価格を調整のうえ、鑑定評価額を6,500万円と決定

C.両価格の開差
不動産鑑定評価書を採用することにより940万円の評価額の引下げが期待できるとともにその後の節税効果も期待できます。




この他にも間口の狭い土地や奥行の長い土地、道路と高低差のある土地、傾斜地、接道要件に問題のある土地等様々な不動産で評価減が期待できますので、お気軽にご相談下さい。


<相続・贈与財産等の評価における不動産鑑定士の選び方>

相続や贈与、遺産分割の鑑定評価については、税務署の厳しい審査を受けることに加えて当事者間の感情が大きく左右するものです。

税務上のトラブルや親族間の人間関係を円満に解決するためには、信頼できる不動産鑑定士が作成した不動産鑑定評価書が大きな役割を果たします。

弊社は長年の税務評価や司法競売評価の実績に加えて、国税不服審判所の裁決事例の研究を行うとともに研修会の講師も務めさせていただいております。

下記の様な不動産についてお悩みの際は、様々なトラブルを回避するためにも是非弊社不動産鑑定士にご相談ください。

 ①間口の狭い土地
 ②奥行の長い土地
 ③形状の悪い土地
 ④地積規模の大きな土地
 ⑤道路と高低差のある土地
 ⑥傾斜地
 ⑦接道要件に問題のある土地
 ⑧市街地山林、市街地原野、市街地農地
 ⑨私道付宅地
 ⑩市街化調整区域内の土地(宅地、農地、雑種地、山林等)
 ⑪埋蔵文化財、地下埋設物、土壌汚染のある土地
 ⑫アパート、店舗等の収益物件
 ⑬借地権や底地
 ⑭地代や家賃の評価
 ⑮大規模工場等取引相場の分からない不動産
 ⑯純山林の判定業務




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